しらさぎプロジェクト大学開放特許データベース(単願&発明者検索)

研究者詳細情報
研究者 友廣 岳則
大学 富山大学 薬学部 薬学科
研究室名 大学院医学薬学研究部
専門分野 創薬化学生体関連化学生物分子化学
研究テーマ 高速光アフィニティーラベル法の開発による標的タンパク質および機能部位同定
抗癌剤シスプラチン誘導体の開発と高性能アフィニティー微粒子によるPt損傷DNA結合タンパク質同定
異方性微粒子の創製とドラッグナノキャリアーへの展開
pH刺激応答型脂質による膜融合制御
検索キーワード
光アフィニティーラベル / ジアジリン / 化学プローブ / ケミカルバイオロジー / プロテオミクス / 分子認識 / 膜タンパク質 / リガンド結合解析 / 光クロスリンク / 膜受容体 / 生体分子相互作用解析 / 光シスートランス異性化 / 血液脳関門 / 蛍光ラベル / 光反応性プローブ / ドコサヘキサエン酸 / 結合部位解析 / 光シス-トランス異性化 / 食と栄養 / 固相スクリーニング / バイオテクノロジー / 脂質 / 必須脂肪酸 / 新生児 / 光シス.トランス異性化 / 標的同定
PR URL http://www.pha.u-toyama.ac.jp/anachem/anachem/homu.html
PRタイトル名 光を創薬に生かす
PR詳細文 (図)
特許

出願番号:2014-227212 / 特開番号:2015-117233 / 登録番号:6453050

2-デオキシ-2,3-ジデヒドロシアル酸誘導体およびその製造法

【課題】C-1位に構造多様性を持たせたシアル酸誘導体及びクリック反応によるその製造方法。

【解決手段】式[1]で表される2-デオキシ2,3-デヒドロシアル酸誘導体


出願番号:2019-002254 / 特開番号:2020-111525 / 登録番号:

蛍光標識試薬、プローブ及びその中間体

【課題】ラベル収率と蛍光強度を大幅に向上させた蛍光標識試薬の提供を目的とし、その中間体に特徴がある。

【解決手段】蛍光標識試薬の中間体として用いられる下記一般式[1]で表される桂皮酸誘導体
【化1】
式中、R₁は水素、低級アルコキシ基、アセチル基、アルキニル基のいずれかであり、R₂は水素、低級アルコキシ基、アセチル基のいずれかであり、Xは水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基又はその誘導体のいずれかである。
【選択図】図1


出願番号:2013-006647 / 特開番号:2014-137307 / 登録番号:6145742

蛍光性質量標識プローブ

【課題】タンパク質の構造解析に有用な蛍光性質量標識プローブを提供する。

【解決手段】下記の一般式(I)の桂皮酸型ジアジリン化合物を蛍光性質量標識プローブとして用いる。「式中、R1は、水素原子、ヒドロキシまたは低級アルコキシ基を、R2は、水素原子、塩素原子、臭素原子または低級アルキル基もしくは低級アルキル基の同位体を、R3は、水素原子、低級アルキルまたはスクシイイミド基を、それぞれ、意味する。」


出願番号:2015-167367 / 特開番号:2017-043562 / 登録番号:6537068

光切断性蛍光標識プローブ

【課題】従来法に比べて簡便化、単純化ができる、タンパク質の構造解析に有用な光切断性蛍光標識プローブの提供。

【解決手段】式( 1 ) で表されるクマリン型ジアジリン化合物。
[R はH 、D 、低級アルコキシ基又は低級アルコキシ基の同位体; A はO 、オキシカルボニル、チオキシカルボニル、オキシスルホニル又はアミノカルボニル; B はリガンド]


出願番号:2006-531828 / 特開番号:再表2006/019116 / 登録番号:4934811

光反応性化合物、光反応性ポリアミンおよびポリアミンシートの製造方法

【課題】DNAチップやプロテインチップに利用可能なポリアミンシート、このポリアミンシートの作製に用いられる光反応性ポリアミン、この光反応性ポリアミンの原料となる光反応性化合物を提供する。  光反応基としてジアジリン基を有する光反応性化合物、この光反応性化合物とポリアミンから生成する光反応性ポリアミン化合物、この光反応性ポリアミン化合物を用いたポリアミンシートとその製造法に関する。

【解決手段】


出願番号:2013-089114 / 特開番号:2014-210754 / 登録番号:6112659

スルホニルアジド誘導体およびアシルスルホンアミド誘導体の製造方法並びにそれらの利用。

【課題】生体直交性のクリック反応に関し、汎用性の高いクリック反応を提供する。

【解決手段】チオアミドとスルホニルアジドを使用して、スルホニルアミジン類およびアシルスルホンアミド類を製造する。該反応は、添加剤不要、温和な条件下、水溶液でも進行する汎用性の高い生体直交型の新規クリック反応である。


論文

(1)Structure-assisted ligand-binding analysis using fluorogenic photoaffinity labeling

Masuda, S., Tomohiro, T., Yamaguchi, S., Morimoto, S., Hatanaka, Y.

Bioorg. Med. Chem. Lett. 25 1675 - 1678 2015年04月


(2)Third generation photo-cross-linked small-molecule affinity matrix: a photoactivatable and photocleavable system enabling quantitative analysis of the photo-cross-linked small molecules and their target purification

Suzuki, T., Okamura, T., Tomohiro, T., Iwabuchi, Y., Kanoh, N.

Bioconjugate Chem. 26 389 - 395 2015年03月


(3)An isotope-coded fluorogenic cross-linker for high-performance target identification based on photoaffinity labeling

Tomohiro, T., Morimoto, S., Shima, T., Chiba, J., Hatanaka, Y.

Angew. Chem. Int. Ed. 53 13502 - 13505 2014年12月


(4)Diazirine-based multifunctional photo-probes for affinity-based elucidation of protein-ligand interaction

Tomohiro, T., Hatanaka, Y.

Heterocycles 89 2697 - 2727 2014年11月


(5)[3-(Trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl]coumarin as a carbene-generating photocross-linker with masked fluorogenic beacon

Tomohiro, T., Yamamoto, A., Tatsumi, Y., Hatanaka, Y.

Chemical Communications 49 ( 98 ) 11551 - 11553 2013年12月


科研費

(1)多点光ラベル解析による膜タンパク質機能構造のモニタリング

基盤研究(B) 2015-04-01 ~ 2018-03-31

本研究では、X線結晶構造解析法等が適応困難なタンパク質について、その構造変化をモニターするための高性能な光ラベル解析基盤技術を確立する。具体的には、独自の光反応基(同位体を有する蛍光標識:IsoFT)の更なる高性能化を図ることで、リガンド結合ポケットにおいて1カ所のラベル解析が限界であった従来法を刷新し、複数の極微量ラベル部位の同時解析を可能にする。
まず、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)のアロステリック酵素機能調整における構造変化モニタリングを実施した。核酸系の調整因子であるADPやATPの末端リン酸基に光反応基を導入した光反応性プローブによるGDHラベルでは、主要ラベル以外に複数の微量ラベル産物が検出された。阻害実験等から、プローブが基質結合部位に特異的に相互作用すること、同じ結合ポケットの複数カ所ラベルであること、さらに別因子の添加によりラベル位置が異なることが明瞭に示された。以上のことから、本方法論により、機能ポケット構造変化を容易に追跡可能なことが示唆された。主要ラベル部位に関してはIsoFT法で容易に特定できたが、微量ラベル解析では操作が複雑化することが判明した。別途、プロテオミクスに対応するため反応基の機能化を進め、高度濃縮基ビオチン基及びクリック反応基であるエチニル基を導入した光反応基ユニットの開発に成功したことから、今後はこの反応基を取り入れた解析を進める。一方、現光反応基では反応/操作温度を厳密に制御する必要があるため、それを改良するために新たな機能性光反応基開発を進め、光誘起電子移動(PeT)機構に基づく光反応基のプロトタイプ作製に成功した。


(2)タンパク質機能ポケットへの二波長光反応性蛍光トランスファー技術の開発

若手研究(B) 0000-00-00 ~ 0000-00-00

蛍光可視化は高い空間的分解能を持つためタンパク質の挙動解析に多用されるが、シグナル解析等に有効な機能部位への蛍光化法は少ない。今回、光照射のみで標的タンパク質を捕捉し、さらに切断と同時に機能部位に蛍光基を形成する、新しい光アフィニティーラベル化法を開発した。小分子からタンパク質に至る生体分子相互作用系で実証し、さらにその蛍光ラベルタンパク質を用いた基質結合解析に成功した。


(3)健全な神経発達の為に新生児の血液脳関門がもつ機能性脂質供給ルート解明と投与設計

挑戦的萌芽研究 0000-00-00 ~ 0000-00-00

注意欠陥多動性障害の改善効果を有する機能性脂質の一つ、ドコサヘキサエン酸(DHA)の血液-組織関門を介した輸送については以前不明である。そこで、DHA輸送担体の実体を明らかにするため、神経組織の中でも特にDHA含有量が多い視細胞に着目し、視神経への栄養供給を主に担う外側血液網膜関門(oBRB)におけるDHA供給ルート解明を試みた。ヒトoBRBモデル細胞であるARPE-19細胞への[^<14>C]DHA取り込みを解析した結果、時間依存的に取り込まれ、その初期取り込み速度は17μL/(min・mg protein)であった。さらに、非標識体DHA共存下によってARPE-19細胞への[^<14>C]DHA取り込みは阻害され、そのIC_<50>値は約10-100μMと推定された。さらに、各種脂肪酸による[^<14>C]DHA取り込みに対する阻害効果を検討した結果、リノール酸、アラキドン酸及びエイコサペンタエン酸によって阻害され、オレイン酸によって阻害されなかった。従って、DHAはARPE-19細胞に何らかの脂肪酸選択的な輸送機構を介して取り込まれることが示唆された。また、前年度の研究から光反応性DHAプローブを用いてDHA結合タンパク質を精製可能である事が示唆された。oBRBの実体である網膜色素上皮細胞をサンプルとして、光反応性DHAプローブを用いて回収したタンパク質をMALDI-TOF/MS解析を行った結果、ビタミンA関連タンパク質が各種同定された。今後、同定したタンパク質がDHA輸送機能を有するか、検討を進める予定である。