しらさぎプロジェクト大学開放特許データベース(単願&発明者検索)

研究者詳細情報
研究者 井上 将彦
大学 富山大学 大学院医学薬学研究部(薬学)
研究室名 薬化学研究室
専門分野 ケミカルバイオロジー、生物有機化学、生体機能関連化学
研究テーマ ・ in vitro自己複製系 (人工生命系) の創成
・第3世代医薬品を指向したタンパク間相互作用制御
・電気化学を基盤とする高効率遺伝子検出法の開発
・糖認識・糖変換反応を指向した人工オリゴマーの創製
・新奇蛍光プローブの創製と光機能性材料への応用
検索キーワード
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PR URL
PRタイトル名 生体分子を人工分子で認識する
PR詳細文 (図) 生物はいろいろな分子の秩序のある集まりで、生命現象とはそこから生まれる機能にほかなりません。分子の秩序ある集まりは、分子間での相互作用(分子の認識)によってもたらされています。しかしながら生体の分子を認識することは、生体の分子にしかできないのでしょうか? 分子間での相互作用、すなわち分子と分子の間に働く力にもいくつかの種類があることがわかっています: (1) プラスとマイナスの電荷を持つ部分が互いに引き合う静電相互作用 (2) 水を嫌う油のような分子が水の中で互いに集まろうとする疎水性相互作用 (3) 分子と分子がぴったりとくっついたときにのみ働く van der Waals 相互作用 (4) 水素をはさんで酸素や窒素が一直線に並んだときのみ働く水素結合性相互作用 などです。  ある分子を認識するためには、以上のような分子間での相互作用がうまく働くように、認識する方の分子を「設計」しなければなりません。本研究では、最新の計算機化学と有機合成化学を活用して、生体分子を認識できる人工分子の開発を行いました。
特許

出願番号:2006-544825 / 特開番号:再表2006/054426 / 登録番号:4929461

高蛍光量子収率型疎水性蛍光プローブ、それを用いる生体高分子検出法ならびに生体高分子間相互作用検出法

【課題】in vivoにおいて高感度検出ができる高蛍光量子収率型疎水性蛍光プローブ分子、その高蛍光量子収率型疎水性蛍光プローブ分子を用いた生体高分子検出法及び生体高分子間相互作用検出法を提供することを目的とする。

【解決手段】ピレン骨格の1位にマレイドイミド基で置換されたアリールエチニル基を導入した蛍光プローブに代表されるエキシマー形成可能な蛍光性有機基に置換基を有するアリールエチニル基を導入した蛍光プローブ。この蛍光プローブ分子で被検生体高分子をラベル化することで可能となる生体高分子検出法ならびに生体高分子間相互作用検出法。


論文

Reliable and Reproducible Separation of 3,9- and 3,10-Dibromoperylenes and the Photophysical Properties of their Alkynyl Derivatives

Hayashi, K.; Inouye, M.

Eur. J. Org. Chem., 2017, 4334-4337.


Helix-Rotaxane Hybrid Systems: Rotaxane-Stabilized, Saccharide-Induced Chiral Ethynylpyridine Helices by Thermodynamic Process

Hirokane, S.; Takashima, S.; Abe, H.; Inouye, M

Eur. J. Org. Chem., 2017, 726-733.


A D3h-Symmetric Macrocycle Alternatingly Composed of Pyridine and Benzyl Alcohol Units Linked with Acetylene Bonds

Abe, H.; Yumoto, R.; Inouye, M.

Heterocycles, 2016, 93, 580-592.


D3h-Symmetrical Shape-Persistent Macrocycles Consisting of Pyridine-Acetylene-Phenol Conjugates as a Highly Efficient Host Architecture for Saccharide Recognition

Abe, H.; Yoneda, T.; Ohishi, Y.; Inouye, M.

Chem. Eur. J., 2016, 22, 18944-18952.


Cyclodextrin-Isolated Alkynylpyrenes as UV-Stable and Blue-Light-Emitting Molecules Even in Condensed States

Inouye, M.; Yoshizawa, A.; Shibata, M.; Yonenaga, Y.; Fujimoto, K.; Sakata, T.; Matsumoto, S.; Shiro, M.

Org. Lett., 2016, 18, 1960-1963.


科研費

(1)人工的なDNA類似体を基質とする核酸関連酵素反応の解析とその化学的深化

新学術領域研究(研究領域提案型) 2016-04-01 ~ 2018-03-31


(2)紫外光励起に対して極限まで耐久性を持たせた青色発光分子の開発とその応用

挑戦的萌芽研究 2015-04-01 ~ 2017-03-31

本研究計画では、電気・光・熱などに対する耐久性を極限まで向上させ、どのような条件下で もほとんど劣化しない有機発光分子を創出して、その材料・化学・生物分野への応用を企図する。 そこで、光に透明な環状分子で 1 個の発光分子を完全に包みこみ、発光分子の電子励起から生じ る副産物(活性酸素種など)の攻撃を防御できるロタキサン型発光分子を開発する。具体的には 以下の研究項目を実施する。
研究項目1:水や酸素存在下での電子励起にも劣化しない有機発光分子の開発と EL 特性評価
研究項目2:外部からの化学刺激により劣化しない有機光触媒およびバイオプローブの開発
今年度は、研究項目1の水や酸素存在下での電子励起にも劣化しない有機発光分子の開発を重点的に行った。特にアルキニルピレンを発光部位とし、シクロデキストリン(CD)で完全に分子被覆されたロタキサン型青色発光分子([3]ロタキサン)に焦点を絞り、それらを設計・合成した。 この[3]ロタキサンの構造は、X線結晶構造解析により確認した。発光分子が CD の防御壁に囲まれることで、活性酸素種が生成される紫外光励起下でも高い安定性を示すとともに、非常に高い発光量子収率(Φf = 0.75)を持つことが分かった。この特殊な分子構造は、高濃度溶液中や固体中でも発光分子どうしの相互作用を防ぐことが可能であり、 濃度消光により発光特性が喪失する有機発光分子の欠点を克服した。また、酸素存在下において [3]ロタキサンの光褪色実験および活性酸素捕捉実験を実施したところ、[3]ロタキサン自体は褪色しないものの、その周囲で一重項酸素酸素は発生していることも分かった。これは、[3]ロタキサン内部 の発光分子が CD を隔てて、酸素分子とエネルギー移動できることを意味している。


(3)ロタキサン形成を分子のキラル配向制御に用いる円偏光発光材料の創製とその一般化

新学術領域研究(研究領域提案型) 2015-04-01 ~ 2017-03-31

本研究計画では、[4]ロタキサンの左右両円偏光発光(円偏光発光:CPL)の実現と広範な波長領域への対応を通して、本法の CPL 材料創出法への一般性を検証するため、以下の項目を実施する。
(1) γ-シクロデキストリン(γ-CD)の鏡像異性体を用いずに [4]ロタキサンから左右両円偏光発光を実現する手法の確立:これまでの研究で得られた知見より [4]ロタキサンの円偏光の回転方向は、γ-CD に内包された 2 分子のアルキニルピレンが形成するスタック構造の絶対配置関係により決定されることが判明している。この絶対配置関係が反転する条件を計算化学的手法から探索して、γ-CD の鏡像異性体を用いずに円偏光特性が反転した [4]ロタキサン(反転 [4]ロタキサン)を設計した。
(2)アルキニルピレン以外の発光分子として、アルキニルペリレンを新たに設計・合成した。またこのアルキニルペリレンが γ-CD に 2:2 のモル比で包接されることを確認した。そしてこの包接錯体が、強い CPL を示すことを確認した。


(4)自己構造化と複製能力をもつ人工オリゴマーの創出とリボザイム型分子触媒への展開

挑戦的萌芽研究 2013-04-01 ~ 2015-03-31

ピリジン環とフェノール環とをアセチレン結合を介して連ねた「ピリジン/フェノールオリゴマー」を開発した。適宜に薗頭反応を繰り返し、12、6量体のオリゴマーを得た。
これらのオリゴマーの濃度を変えたNMRから自己会合定数を求めたところ、12、6量体でそれぞれ350、34M-1と求められた。
DCE中、12量体へオクチルβ-D-グルコシドを滴定したところ、キラルならせんを示すCDが誘起され会合定数は2.4x10^7M-1であった。鎖長が長い12量体で自己会合と糖認識ともに強かった。ピリジンとフェノールがpush-pullの形式でOH基を挟み込むことが、モデル化合物のX線結晶構造解析で確認された。