しらさぎプロジェクト大学開放特許データベース(単願&発明者検索)

研究者詳細情報
研究者 足立 伊左雄
大学 富山大学 附属病院
研究室名 富山大学附属病院薬剤部
専門分野 医療系薬学
研究テーマ 1. 漢方薬の作用メカニズムと活性本体の解明のために
各種の生理活性を指標とした水溶性アルカロイド化合物の探索ならびに構造活性相関などの研究.
2. 糖鎖および糖脂質生合成の選択的阻害剤を用いた
抗ウイルス薬のデザインやリソソーム病治療法の確立などに関する糖鎖生化学的研究ならびにApoptosis やウイルス増殖を制御する化合物の検索と解析のための生化学研究.
3. 臨床薬剤業務・薬学教育の質的向上のための実務薬学
医薬品評価と選択のための薬剤疫学・薬剤経済学
薬事・医薬品制度などに関する社会薬学的研究.
4. 動物実験とin vitro試験に基づいた薬物の薬効解析
検索キーワード
イミノ糖 / グリコシダーゼ阻害剤 / リソソーム蓄積症 / GLUCOCEREBROSIDE / 結核菌 / lipophilic drug / ユビデカレノン / グルコセレブロシド / シャペロン / グリコシダーゼ / 水溶性アルカロイド / 糖鎖生合成 / 光学異性体 / リソソーム病 / リンパ吸収 / LYSOSOME DISEASE / SUGAR-MIMIC ALKALOIDS / エンドサイトーシス / endocytosis / lymphatic absorption / ラムノシダーゼ / 脂溶性薬物 / Ubidecarenone
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特許
論文

(1)N- and C-alkylation of seven-membered iminosugars generates potent glucocerebrosidase inhibitors and F508del-CFTR correctors.

7) Désiré, J., Mondon, M., Fontelle, N., Nakagawa, S., Hirokami, Y., Adachi, I., Iwaki, R., Fleet, G. W. J., Alonzi, D. S., Twigg, G., Butters, T. D., Bertrand, J., Cendret, V., Becq, F., Norez, C., Marrot, J., Kato, A., Blériot, Y.

Org. Biomol. Chem. 12 ( 44 ) 8977 - 8996 2014年11月


(2)Synthesis of 1,2-trans-2-acetamido-2-deoxyhomoiminosugars.

9) Blériot, Y., Tran, A. T., Prencipe, G., Jagadeesh, Y., Auberger, N., Zhu, S., Gauthier, C., Zhang, Y.

Org. Lett. 16 ( 21 ) 5516 - 5519 2014年11月


(3)Synthesis and biological evaluation of α-1-C-4’-arylbutyl-L-arabinoiminofuranoses, a new class of α-glucosidase inhibitors.

6) Natori, Y., Sakuma, T., Yoshimura, Y., Kinami, K., Hirokami, Y., Sato, K., Adachi, I., Kato, A., Takahata, H.

Bioorg. Med. Chem. Lett. 24 ( 15 ) 3298 - 3301 2014年08月


(4)Synthesis of the enantiomers of XYLNAc and LYXNAc: comparison of β-N-acetylhexosaminidase inhibition by the 8 stereoisomers of 2-N-acetylamino-1,2,4-trideoxy-1,4-iminopentitols.

5) Crabtree, E. V., Martínez, R. F., Nakagawa, S., Adachi, I., Butters, T. D., Kato, A., Fleet, G. W. J., Glawar, A. F. G.

Org. Biomol. Chem. 12 ( 23 ) 3932 - 3943 2014年06月


(5)Nine of 16 stereoisomeric polyhydroxylated proline amides are potent β-N-acetylhexosaminidase inhibitors.

4) Ayers, B. J., Glawar, A. G. F., Martínez, R. F., Ngo, N., Liu, Z., Fleet, G. W. J., Butters, T. D., Nash, R. J., Yu, C.- Y., Wormald, M. R., Nakagawa, S., Adachi, I., Kato, A., Jenkinson, S. F.

J. Org. Chem. 79 ( 8 ) 3398 - 3409 2014年04月


科研費

(1)イミノ糖によるタンパク質プロセッシングの制御と作用メカニズムの解明

基盤研究(C) 0000-00-00 ~ 0000-00-00

D-DGJが、α-gal Aの競合的な阻害剤として作用することに着目し、我々は、その鏡像異性体であるL型DGJの生理活性について検討を行った。D-DGJ (5 μM) または L-DGJ (1000 μM) 添加により、有意な酵素活性の低下抑制作用が認められた。さらに両化合物は、R301Q変異繊維芽細胞においてもファーマコロジカルシャペロンとして機能し、α-gal A活性を顕著に上昇させることが確認出来た。更に合成例が乏しく、また阻害予測が非常に難しいD型およびL型アゼチジン型イミノ糖の阻害活性を中心に検討を行った。


(2)糖鎖生合成阻害活性のある水溶性アルカロイドのリソソーム蓄積症に対する作用の解析

基盤研究© 0000-00-00 ~ 0000-00-00

Gaucher病のin vitro病態モデルを用いて、各種の水溶性アルカロイドの酵素阻害活性、糖脂質の蓄積に及ぼす影響ならびにそれらの作用メカニズムを解析するとともに、Gaucher病患者由来細胞を用い治療薬としての可能性を評価した。その結果、研究成果としてα-galactosidase Aに対し高い親和性をもつ1-deoxygalactonojirimycin類縁体がファブリ病患者由来の細胞内における酵素活性を上昇させるということを明らかにした。さらに、この知見を元にノルトロパンアルカロイドであるcalystegine類が先天的β-グルコセレブロシダーゼ活性低下によって発症するゴーシェ病に対し、高次構造形成を補助するいわゆるケミカルシャペロンとして機能する可能性があるか否かについて検討を行った。具体的には、まず、ナス科のクコ(Lycium chinense)の根皮から各種イオン交換クロマトグラフィーにより、10種類のcalystegineを単離した。各calystegineのβ-グルコセレブロシダーゼに対する親和性を調べた結果、calystegine B_1、B_2、C_1およびA_3に強い親和性が認められた。また、β-グルコセレブロシダーゼに対する阻害様式はすべて括抗型であり、Ki値はそれぞれ1.4、1.5、0.49および0.9μMであった。これら強い親和性を示したcalystegineについて、L444P/L444P変異を持つゴーシェ病患者由来の線維芽細胞を用いて、細胞内のβ-グルコセレブロシダーゼ活性を上昇させるかどうかを調べた。その結果、calystegine A_3、B_1、B_2およびC_1はいずれも細胞内βグルコセレブロシダーゼ活性を濃度依存的に上昇させた。Calystegine A_3、B_1、B_2およびC_1はいずれも10μM程度で明らかな活性上昇作用を示し、それらの上昇程度は無添加群の2.3、1.7、3.2および2.3倍であった。


(3)脂溶性薬物の消化管からのリンパ吸収メカニズムの生化学的研究

基盤研究© 0000-00-00 ~ 0000-00-00

脂溶性薬物として、主にユビデカレノンを用いて実験を行なった。経口ゾンデを用いてラット胃内に薬物を投与したのち、経時的にリンパ液あるいは門脈血を採取して、それぞれに移行した薬物をHPLCを用いて定量することにより、リンパならびに門脈への吸収実験を行なった。その結果、ユビデカレノンなどの脂溶性薬物は門脈系へはほとんど吸収されず、もっぱらリンパ系へ吸収されていることが判明した。また、吸収促進剤として、グリセロールモノオレートを用いると、リンパ吸収がほぼ3倍上昇することが認められた。また、モネンシンなどのendocytosis inhibitorによりユビデカレノンのリンパ吸収が著しく抑制され、in vitroの結合実験でも阻害が認められたことからendocytosisがユビデカレノンのリンパ吸収において重要な役割を担っていることが明らかとなった。さらに研究の途上において、酸化体として投与したユビデカレノンの85%が還元体としてリンパ液中に出現することを見いだした。本知見は文献上知られていなかった事実であるので、さらに検討を加えることとした。その結果、ユビデカレノンの還元反応は、消化管の中やリンパ液中で起こっているのではなく、吸収過程すなわち小腸上皮細胞等を通過する際に酵素によって起こっていることを明らかにした。また、この酵素は-SH基の阻害剤に感受性を有しており、細胞膜に存在していることが判明した。
このようなことから、リンパ吸収においてendocytosisを介して小腸上皮細胞を通過する際における、酵素によるユビデカレノンの還元体生成の意義を検討することが再重要である。